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職務経歴書の書き方を徹底解説!事前準備のポイント3選や注意点も紹介

転職活動の際、職務経歴書の作成に苦戦している人は多いです。職務経歴書で自分の経験や能力を効果的に伝えられないと、転職活動がうまくいかない可能性があります。用意する資料の中で最も重要と言っても過言ではありません。実際、私も面接の際には職務経歴書を一番読み込みます。

この記事では、職務経歴書の基礎知識や項目別の書き方、フォーマットの選び方、注意点を詳しく解説します。記事を読めば、採用担当者の心に響く、魅力的な職務経歴書の作成が可能です。職務経歴書を作成するときは、自己分析と情報の整理が欠かせません。適切なフォーマットを選び、具体的な実績を数値で示すと、自分の強みが際立ちます。

職務経歴書の基礎知識

職務経歴書の基礎知識に関して、以下の3点を解説します。

  • 職務経歴書の目的
  • 履歴書との違い
  • 採用担当者が見るポイント

» 書類選考を突破する書き方のポイント3選と作成時に気をつけたい注意点

職務経歴書の目的

職務経歴書の目的は、自分の経歴や実績を効果的にアピールすることです。採用担当者に自分の強みや適性を伝え、応募する企業や職種に適した人材だと示すために作成します。職務経歴書でキャリアの方向性や将来の目標を明示し、自己PRの機会を最大限に活用しましょう。

面接時の話題や質問の基礎資料となる職務経歴書は、転職活動を有利に進めるための重要な書類です。

履歴書との違い

職務経歴書には詳細な職歴を記載します。履歴書は、簡潔な経歴のみを記入します。職務経歴書では、自分のキャリアをより深く掘り下げて説明しましょう。職務経歴書は自由形式で作成でき、自己PRや志望動機をより詳細に記載します。履歴書は定型フォーマットに従って書くのが一般的です。

職務経歴書は通常1〜2ページ程度ですが、履歴書は1ページに収めます。職務経歴書は転職時に重視されるのに対し、履歴書が重視されるのは新卒採用時です。職務経歴書がキャリアの深掘りを目的とするのに対し、履歴書は基本情報の確認のために作成します。
» 【履歴書の書き方のポイント】作成するコツや注意点を解説!
» 【履歴書の職歴欄の正しい書き方】基本ルールとケース別の対応方法を解説!

採用担当者が見るポイント

職務経歴書では、応募者の経歴が論理的につながっているかが大切なポイントです。具体的な実績や成果について数字を用いて比較しやすいように示すと、説得力が増します。応募職種に関するスキルや経験も重要です。問題解決能力や主体性も評価の対象です。過去の経験からどのように課題に取り組んだかをアピールしましょう。

コミュニケーション能力も重要です。チームワークやリーダーシップの経験を記載してください。自分の強みや、企業に興味を持った理由を明確に伝えます。業界や企業に対する理解度も大切なポイントです。文章力や表現力も評価されるため、職務経歴書を書く際は細心の注意を払いましょう。

職務経歴書を書く前の準備

職務経歴書を書く前の準備では、以下を参考にしてください。

  • 自己分析とキャリアの棚卸しをする
  • 求められる人物像を理解する
  • 必要な情報を収集する

自己分析とキャリアの棚卸しをする

過去の経験を振り返り、自分の強みや成果を明確にすると、説得力のある職務経歴書を作成できます。以下の手順で、自己分析とキャリアの棚卸しを行いましょう。

  1. 過去の職歴や経験を時系列で整理する
  2. 各職場での具体的な業務内容や成果を列挙する
  3. 獲得したスキルや専門知識を洗い出す
  4. 自身の強みや弱みを分析する
  5. キャリアの転機や重要な出来事を特定する

自己分析とキャリアの棚卸しを通じて、自分のキャリアの全体像を把握し、アピールポイントを明確にしてください。自分の価値観や興味関心を整理し、成功体験や失敗経験を振り返ると、今後のキャリアの方向性が見つかります。資格や受賞歴などの実績もリストアップしましょう。

資格や受賞歴は、職務経歴書で自分の能力や実績をアピールする際に役立ちます。他者からのフィードバックも大切です。上司や同僚からの評価を振り返ると、自分では気づかない長所や改善点を発見できます。

求められる人物像を理解する

企業が求める人材像を把握すると、自分のスキルや経験をより適切にアピールできます。求められる人物像を理解するには、応募企業の求人情報を詳細に調べましょう。企業の公式サイトやSNSで、会社の方針や文化を調査するのも効果的です。業界のトレンドや、求められるスキルも把握してください。

企業が求める人物像は、面接官の視点で考えましょう。情報を収集して分析すると、自分の強みや経験を効果的にアピールできます。企業の求める人物像を理解するだけでなく、自分のキャリアや価値観と照らし合わせることも大切です。

必要な情報を収集する

適切な情報を集めて職務経歴書を作成すると、説得力のある職務経歴書を作成できます。過去の職歴に関する詳細な情報を集めましょう。各職場での具体的な業務内容や担当したプロジェクト内容、成果が役立ちます。専門性や成果を示すために、獲得したスキルや資格、受賞歴や実績の整理も重要です。

学歴や専攻分野の情報も集めると、志望する職種や業界がある際に強調できます。業界や職種に関連する最新のトレンドを集めておくのもおすすめです。志望企業や業界の情報を調べると、より的確にアピールできます。

【項目別】職務経歴書の書き方

職務経歴書の書き方を、以下の項目別に解説します。

  • 基本情報
  • 職務要約
  • 職務経歴
  • 経験・知識・技術欄
  • 自己PR
  • 志望動機

基本情報

基本情報は、正確で信頼性の高い情報を記載しましょう。氏名や生年月日、住所や連絡先を正確に記載します。基本情報は、採用担当者が応募者と連絡を取るための手段でもあります。写真を添付する場合は、写真館で撮影するのがおすすめです。
» 【履歴書写真の正しい服装は?】身だしなみや基本ルールを詳しく解説

メールアドレスは、個人的なニックネームや趣味に関連するものは避けましょう。資格や免許は、応募する職種への関連性が高いものを記載します。学歴は最終学歴から逆順で記載します。必要に応じて、特技やスキルを簡潔に記載するのも効果的です。職務に直接関係のないスキルは省略しましょう。

職務要約

職務要約は、採用担当者に興味を持ってもらうことが目的です。2〜3文程度で簡潔にまとめます。最も関連性の高い経験や強みを強調し、具体的な成果や数字を含めると、自分の価値を明確に伝えられます。応募する職種や業界に合わせて、内容を調整しましょう。

自分の専門性や独自の価値を明確に示すと、他の候補者との差別化を図れます。時系列順ではなく、重要度順に記載するのもおすすめです。具体的に記述すると、採用担当者に自分の能力や実績をより深く理解してもらえます。キーワードを効果的に使えば、採用担当者の興味を引く魅力的な内容になります。

職務経歴

職務経歴を書く際は、時系列に沿って記載するのが基本です。一番オーソドックスな形式は編年体形式です。自分の経験・キャリアを一番古い経歴から時系列順に記載する方法です。自身がどのようにして成長してきたかを伝えやすい形といえます。

編年体形式とは逆で、最新の仕事内容から時系列順に過去にさかのぼって記載する方法があります。これは逆編年体形式といいます。応募職種が現在携わっている仕事と近い場合や、社会人経験が長く多くの経歴があるため、直近で得た経験・スキルなどをわかりやすくアピールしたい場合におすすめの形式です。
どちらの形式がよいかは、応募職種などによって検討してください。

各職歴について、会社名や部署、役職を明確に記載します。具体的な業務内容と成果を示して、自分の実力を明確に伝えましょう。売上の向上率やプロジェクトの規模などを具体的に記載します。自分の貢献度や役割を明確にすると、価値をアピールできます。

専門用語は適切に使用し、業界や職種特有のスキルを強調してください。一貫性のある書式で整理すると、採用担当者に好印象を与えられます。転職理由の適切な説明も重要です。ポジティブな表現を心がけ、前向きな姿勢を示します。成長過程や学んだ経験を示して、学習意欲や向上心をアピールしましょう。

経験・知識・技術欄

経験や知識、技術欄を効果的に書くと、採用担当者に強い印象を与えられます。保有している資格や免許を列挙しましょう。資格や免許は客観的な指標となるため効果的な場合があります。業務で使用したツールやソフトウェア、習得した言語やプログラミングスキルも明記します。具体的なプロジェクト経験や専門知識も説明しましょう。

業界特有の専門用語や技術を適切に使用すると、専門性をアピールできます。自己評価によるスキルレベルの記載や、関連する研修や講習の受講歴を記載するのも有効です。業務外で獲得したスキルも、転職先で生かせるものであれば適切に盛り込みます。経験年数や実績を数値で示すと、より具体的なアピールが可能です。

自己PR

自己PRを書く際は、自分の強みや長所を3〜5つ程度に絞り込みます。具体的なエピソードや実績を交えて説明すると効果的です。自己PRに含める内容には、コミュニケーション能力やリーダーシップ、専門的なスキルや資格などがあります。応募する企業の求める人物像や、職務内容に合わせてアピールしましょう。

自己分析の結果を活用し、客観的な事実や第三者の評価を含めると説得力が増します。成果や貢献度を数値化すると、より具体的なアピールが可能です。ただし、謙虚さを忘れないようにしてください。将来の目標や意欲も簡潔に述べると、前向きな姿勢をアピールできます。

志望動機

志望動機を書く際は企業研究を十分に行い、研究結果を反映させましょう。企業の理念や価値観に共感できる点を見つけ、自分の言葉で表現します。自分のスキルや経験と企業のニーズをマッチングさせることも重要です。具体的なエピソードや実績を交えると、説得力が増します。

将来のビジョンや貢献意欲を伝えるのもおすすめです。志望動機を書く際は、簡潔でわかりやすい文章や前向きな表現を意識しましょう。自己PRとの重複を避け、志望度の高さが見えるよう工夫してください。
» 【受かる志望動機の書き方を知ろう!】ポイントや注意点を詳しく解説

職務経歴書の基本フォーマットと選び方

職務経歴書の基本フォーマットには、以下の3種類があります。

  • 編年体形式
  • 逆編年体形式
  • キャリア形式

それぞれの特徴を理解し、最適な形式のフォーマットを選びましょう。

編年体形式

編年体形式は、時系列順に経歴を記載する職務経歴書の形式です。最も古い経歴から最新の経歴へと順に記述していくため、一貫したキャリアの流れを示しやすい点がメリットです。長期的な成長や経験の積み重ねを強調できるため、転職回数が少ない方に適しています。

キャリアの変遷や成長過程がわかりやすく、各職務での経験や成果を詳細に記述しやすいです。採用担当者が自分のキャリアの全体像を把握しやすい点も魅力です。職務経験が豊富な場合、記述が長くなる可能性があるため、注意しましょう。採用担当者に自分の経験や能力をわかりやすく伝えたい場合は、編年体形式が最適です。

逆編年体形式

逆編年体形式は、最新の職歴から順に記載します。直近の経験が目立つため、キャリアアップの強調が可能です。現在の能力や経験がわかりやすく、採用担当者に最新の情報から確認してもらえます。逆編年体形式は、応募職種が現在携わっている仕事と近い場合や、社会人経験が長く多くの経歴がある場合、転職回数が多い場合に最適です。業界や職種の変更の際にも役立ち、キャリアの変遷や成長を明確にできます。

最新のスキルや実績をアピールしやすいのも、逆編年体形式の魅力です。短期間での成果や昇進をアピールできるため、長期的な経歴よりも最近の実績を重視する企業に向いています

キャリア形式

キャリア形式は、スキルや経験を重視して記載する職務経歴書です。職種や業界ごとにまとめて経歴を記載するため、転職回数が多い場合に適しています。特定の能力や実績を強調でき、経歴の空白を目立たなくできます。自分の強みや成長が明確に伝わりやすいため、長所や得意分野の効果的なアピールが可能です。

キャリア形式は、複数の職種経験がある場合にも向いています。時系列順でないため、経歴の変遷よりも能力に注目してもらえます。専門性の高い職種や経験者にとって効果的な形式です。キャリアの変遷がわかりにくい点がデメリットなため、状況に応じて適切な形式を選びましょう。

職務経歴書を書く際の注意点

職務経歴書を書く際の注意点は、以下のとおりです。

  • 読みやすいレイアウトを心がける
  • 数値を使って具体的にアピールする
  • 誤字脱字に注意する

読みやすいレイアウトを心がける

読みやすいレイアウトにすることで、採用担当者に好印象を与え、自分の経歴や能力を効果的に伝えられます。職務経歴書を書く際は、適切な行間や余白を設け、見出しを効果的に使用しましょう。箇条書きやリストを活用するのも効果的です。重要な情報を太字や下線で強調したり、一貫性のあるフォントとサイズを使用したりしましょう。

段落を適切に分けると、情報の整理がしやすいです。長文は避け、適度に改行すると読みやすさが向上します。表やグラフを活用して情報を視覚化するのも効果的です。色使いは控えめにし、読みやすさを優先します。電子データで提出する際は、PDFフォーマットで提出し、レイアウトの崩れを防ぎましょう。

数値を使って具体的にアピールする

数値を使って具体的にアピールするのは、職務経歴書の説得力を高める重要なポイントです。以下の内容を数値化してアピールしましょう。

  • 売上や利益の増加率
  • プロジェクト規模
  • 業務効率化による時間短縮
  • 顧客満足度の向上
  • コスト削減の成果

管理していた部下の人数や取得した資格の合格率、担当エリアや顧客数なども具体的に示すのがおすすめです。目標達成率や業界内でのランキング、市場シェアなどもアピールしましょう。ただし、数値を誇張したり、虚偽の情報を記載したりするのは避けてください

誤字脱字に注意する

1つの誤字脱字で、自分の印象が大きく損なわれる可能性があるため、注意が必要です。誤字脱字を防ぐには、複数回確認したあと、第三者にも確認してもらいましょう。音読による違和感の確認や校正ツールの活用も効果的です。専門用語や固有名詞の表記にも注意してください。

同音異義語や似た漢字の使い分けにも気をつけます。提出前に時間を置いて再度確認するのも有効です。間隔を空けて見直すと、見落としを防げます。

まとめ

効果的な職務経歴書を作成するには、自己分析とキャリアの棚卸しが大切です。自分の強みや経験を明確にしましょう。求人に合わせた内容にカスタマイズすると、採用担当者の目にとまりやすくなります。読みやすいレイアウトと適切なフォーマットを選ぶと、好印象を与えることが可能です。

職務経歴書を書く際には、具体的な実績や数値を盛り込むと、説得力が増します。誠実で正確な情報の記載によって、信頼性を高められます。提出前に誤字脱字を確認し、推敲を重ねましょう。定期的に最新の情報を反映させて、面接官の印象に残る職務経歴書を作成しましょう。