就職や転職のとき、履歴書は必要なものですが、職歴の正しい書き方に迷う人も多いです。履歴書を書き慣れている人も少ないため、複雑な経歴や特殊なケースでは、どう記入すべきかわかりません。本記事では、履歴書の職歴欄の基本的な書き方から、さまざまなケース別の記入方法まで詳しく解説します。
記事を読むと、自信を持って履歴書の職歴欄を作成できます。履歴書の職歴欄は、基本ルールを押さえて正確に記入することが重要です。年号の統一や記入順序など、細かな点に注意を払って、印象の良い履歴書を作成しましょう。
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履歴書の職歴欄を書くときの基本ルール
履歴書の職歴欄を書くときは、基本的なルールを守るのが重要です。情報の正確性と読みやすさを重視し、年号の統一や空白期間も、事実にもとづき簡潔に書きましょう。基本ルールを守って履歴書を書けば、採用担当者に良い印象を与え、経歴を効果的に伝えられます。
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年号は和暦か西暦のどちらかに統一する
年号を統一するのは、履歴書の読みやすさと印象を良くするために重要です。和暦か西暦のどちらかに統一すれば、採用担当者が履歴書を効率良く確認できます。一般的には広く認知されており、年代の把握がしやすい西暦の使用がおすすめです。
企業によっては和暦の使用を指定する場合もあるので、企業からの指示に従いましょう。一度選んだ形式は、履歴書全体で一貫して使用するのが大切です。途中で和暦と西暦を混ぜてしまうと、読みづらく印象が悪くなります。ぜひ読む側の気持ちを考えながら書類作成に取り組んでください。
履歴書全体の印象を左右する要素の一つなので、適切に記入しましょう。
学歴記入欄から1行空けてから始める
学歴記入欄から1行空けてから職歴欄を書き始めるのが、履歴書作成の基本的なルールです。学歴と1行空けると、学歴と職歴の区別がしやすくなり情報の整理と視認性向上するため、必要情報の素早い確認ができます。2行以上空白を空けると不自然に見えるので、1行が適当です。
1行空けるだけで、履歴書の見た目が大きく改善されるので、採用担当者に好印象を与えられるように丁寧に作成しましょう。
学校卒業後の職歴は原則すべて書く
履歴書の職歴欄には、自身のキャリアを正確に伝えるため、原則として学校卒業後の職歴をすべて記載する必要があります。職歴を書くときには、アルバイトやパートタイム、短期間の職歴も書き、空白期間も隠さず書きましょう。職歴が多い場合は、直近の主要な職歴を優先します。
職歴は時系列順で記載し、各職歴の以下の情報を明確に記入します。
- 会社名
- 所在地
- 職種・職務内容
- 在職期間
退職理由については面接で説明する機会があるため、記載する必要はありません。学校卒業後の職歴を漏れなく記載すれば、応募先企業に自身のキャリアを正確に伝えられます。履歴書作成のときは、ポイントを押さえて丁寧に記入しましょう。
その他の職歴欄を書くときのルール
その他の職歴欄を書くときのルールとして、職務内容は簡潔に記載するのが大切です。正社員以外の雇用形態の場合は、アルバイトやパートタイムの経験として書きましょう。ボランティア活動やインターンシップなどは、原則として職歴には記載しません。複数の職歴がある場合は、時系列で古い順に記載します。
職歴が多い場合は、直近10年以内の職歴に絞っても問題ありません。退職理由は記載しなくても良いです。空白期間がある場合、面接で説明できるよう準備しておきましょう。会社名や職位は正式名称を使用してください。ルールを守って履歴書を作成し、採用担当者に好印象を持ってもらえるよう工夫したいです。
正確でわかりやすく職歴を伝え、経歴をアピールしましょう。
履歴書の職歴欄の正しい書き方
履歴書の職歴欄を正しく書くのは、就職・転職活動で重要です。職歴には、会社名や役職、入退社日、昇格実績、異動、派遣社員の経験などの正確な記載が必要です。記入漏れや間違いがないように、確認も忘れずに行いましょう。
以下の場合に分けてポイントを解説します。
- 基本的な職歴欄の場合
- 社内で昇格や異動を経験した場合
- 2社以上経験した場合
- 雇用形態が変わった場合
- 派遣社員として働いていた場合
基本的な職歴欄の場合
基本的な職歴欄の書き方について、以下のポイントに注意しましょう。
職歴欄は、入社と退職の年月日を1行ずつ記入し、会社名と所在地を明記します。年月日は和暦か西暦のどちらかに統一します。会社名は正式名称を使用し、所在地は市区町村まで記載するのが大事です。現在の職場は現在に至ると記入しましょう。
原則、職歴は古い順に記載し、学生時代のアルバイトは省略します。職位や部署名も基本的には記入しません。職歴が多い場合は、直近10年程度の主要な経歴を記載してください。ただし、10年以上前の職歴でも、応募する企業に関連がある場合は、古くても経歴に含めるのがおすすめです。
基本的なルールに従って職歴欄を記入すれば、見やすく整理された履歴書を作成できます。採用担当者に良い印象を与えられるよう、丁寧に記入しましょう。
社内で昇格や異動を経験した場合
社内で昇格や異動を経験した場合も、履歴書の職歴欄に記載するのが重要です。昇格や異動の日付、役職や部署の変更を書くと、自分のキャリアの成長を効果的にアピールできます。昇格・異動ごとに新しい行に書きますが、同じ会社内での変更であれば、会社名は省略できます。
すべての昇格や異動を記載する必要はなく、重要な変更のみを選んで記載すれば、見やすい職歴欄が作成可能です。昇格・異動の順序は必ず時系列で正確に並べましょう。部門間の異動がある場合も明確に示すのが大切です。昇格・異動の理由は通常記載しなくても問題ありません。
現在の職位や部署を強調すると、最新のキャリア状況を採用担当者に印象付けられます。昇格や異動も含めて職歴欄を作成して、キャリアの成長を効果的にアピールしましょう。
2社以上経験した場合
2社以上経験した場合は、最新の職歴から順に記入していくのがポイントです。会社名や所在地、入社退職年月、役職、職種、主な業務内容、各社の経験を1〜2行程度で簡潔にまとめるのが大切です。会社間に空白期間がある場合は、理由も簡単に説明しましょう。在職中の会社については、退職年月を現在に至ると記載します。
派遣や契約社員として働いていた経験がある場合は、雇用形態も忘れずに明記します。一貫性を保ち同じフォーマットですべての職歴を記入すれば、見やすい履歴書が作成可能です。
雇用形態が変わった場合
雇用形態が変わった場合、履歴書の職歴欄の書き方に注意が必要です。正確な情報を伝えるために、雇用形態の変更を明確に記載しましょう。雇用形態の変更の書き方として、雇用形態変更の日付やどの形態からどの形態になったのか明確に示すのが重要です。
同じ会社内での変更は1行で記載し、正社員化の場合は正社員登用と記入します。契約社員から正社員、パート・アルバイトから正社員への変更は、行を分けて記載します。雇用形態変更の日付を正確に記入するのも重要です。雇用形態の変更を明確に示せば、あなたのキャリアを正確に伝えられます。
雇用形態の変更理由は記載する必要はありません。職務内容に変更がある場合は、別行で記載するとよりわかりやすくなります。派遣から直接雇用への変更の場合は、新たな入社として扱われるので注意しましょう。
派遣社員として働いていた場合
派遣社員として働いていた場合、履歴書の職歴欄には特定の記載方法があります。派遣元の人材派遣会社名を記入するのが重要なポイントです。入社年月と退社年月を明記し、派遣社員という立場を明確にしましょう。複数の派遣先で働いた経験がある場合は、主な派遣先や最長期間の派遣先を中心に記入してください。
派遣期間が短くても、原則として記載します。派遣先が多数ある場合は、代表的なものを選んで記載しましょう。派遣先企業名を記載したい場合は、かっこ書きで追記できます。
【ケース別】履歴書の職歴欄の書き方
履歴書の職歴欄の書き方は、応募者の状況によって異なります。在職中、退職予定、空白期間、派遣・契約社員など、さまざまなケースに応じた適切な記入が重要です。アルバイトやインターンシップ、転職回数が多い場合なども、それぞれの状況に合わせて作成しましょう。
在職中の場合
在職中の場合、現在の会社での情報を正確に記入するのが大切です。現在の会社名と入社年月を記入し、退職年月の欄には現在に至ると書きます。現在の職位や役職はキャリアの現状を示す重要な情報なので、忘れずに記入しましょう。職務内容については、主な業務や責任範囲を簡潔に要約するのがおすすめです。
在職中の会社での昇進や異動を記載すれば、自身のキャリアの成長を示すのに効果的です。転職回数が多い場合は、直近の職歴のみを記載しましょう。現在の給与や待遇については記載する必要はありません。正確でわかりやすい情報を提供し、適切な職歴欄を作成しましょう。
退職予定日が決まっている場合
退職予定日が決まっている場合は、履歴書の職歴欄に〇年〇月退職予定と明確に記載しておきましょう。退職予定日を明記する場合でも履歴書では、在職中の会社名は現在形、職務内容は現在進行形で書くのが一般的です。必要であれば、退職理由についても簡潔に記載しましょう。
退職予定日以降の予定については、履歴書には記載する必要がありません。退職後の予定が決まっている場合は、面接のときに説明する必要があります。退職予定日を明確に記載すれば、採用担当者に誠実な印象を与えることが可能です。現在の状況を正確に伝えられるため、スムーズな採用プロセスにつながります。
職歴に空白期間がある場合
職歴に空白期間がある場合、正直に記入するのが大切です。隠そうとせず、空白期間の理由を簡潔に説明しましょう。空白期間中に資格取得や自己啓発に取り組んだのであれば、空白期間を有効活用したと積極的にアピールしてください。空白期間の前後の職歴をしっかりと記入するのも重要です。
面接で空白期間について質問される可能性が高いので、説明できるよう準備しておくのが大切です。空白期間中に身に付けたスキルや経験も積極的にアピールしましょう。前向きな姿勢を示せれば、空白期間があっても採用される可能性が高まります。必要に応じて、職務経歴書で空白期間について詳しく説明するのも効果的です。
空白期間があっても、正直に対応し、前向きな姿勢を示しましょう。
派遣社員や契約社員の職歴がある場合
派遣社員や契約社員として働いた経験がある場合、履歴書の職歴欄の書き方には注意が必要です。正社員とは異なるルールがあるので、正しく記入するのが大切です。派遣社員や契約社員の職歴を記入するときは、派遣元の人材派遣会社名を記入し、雇用形態を派遣社員や契約社員と明記します。
派遣先での業務内容や職種を簡潔に記載するのが重要です。複数の派遣先で働いた経験がある場合は、主な派遣先や最も長く勤務した派遣先を記載しましょう。契約期間が短い場合でも、原則としてすべての職歴を記入するのがおすすめです。派遣期間が長期にわたる場合は、期間を年単位でまとめて記載しても構いません。
派遣や契約の更新回数が多い場合は、主要な期間のみを記載する方法もあります。正社員への登用があった場合は、雇用形態の変更を明記するのも忘れないようにしましょう。派遣社員や契約社員の職歴を正確に記入すれば、自身のキャリアを適切にアピールできます。
その他のケースの場合
通常の正社員以外の経験がある場合も、履歴書の職歴欄に記入するのが大切です。通常の正社員以外の経験も、自身のスキルや能力を示す重要な情報となります。以下の経験も職歴欄に記入しましょう。
- アルバイトやインターン
- 海外での就労
- 自営業や起業
- ボランティア活動や社会貢献活動
- 職業訓練や専門学校での学習
- 兼業や副業
- フリーランス活動
その他の経験も適切に記入すれば、さまざまな経験や能力をアピールできます。転職回数が多い場合や長期の休職期間がある場合は、理由を簡潔に説明するのが重要です。育児休業や介護休業を取得していた場合も、記載しておきましょう。面接官に対して、より詳細な自己PRをする機会にもつながります。
職歴の書き方で迷ったときの対処法
職歴の書き方で迷いやすい、以下のような場合の対処法をご紹介します。
- 職歴が多く書ききれない場合
- 詳しい職務内容を記載する場合
- 別紙にまとめて記載する場合
対処法を知っておけば、迷わずに職歴を書くことが可能です。
職歴が多く書ききれない場合
職歴が多く書ききれない場合は、重要度の高い職歴を選んで記載するのがポイントです。最新の職歴からさかのぼって記入し、同業種や志望職種に関連する職歴を優先的に記載しましょう。職歴が多い場合の優先順位は以下のとおりです。
- 最新の職歴
- 長期勤務の職歴
- 志望職種に関連する職歴
- 同業種の職歴
職歴欄が足りない場合は、別紙を用意して詳細な職歴を記載する方法もあります。履歴書の職歴欄には別紙参照と記入しておきましょう。職務経歴書を用意して詳細な職歴を補完するのも効果的です。職務経歴書では、各職歴での具体的な業務内容や実績を詳しく記載できるため、履歴書では書ききれない情報を伝えられます。
限られたスペースを有効に活用しながら、自分のキャリアを効果的にアピールしましょう。
詳しい職務内容を記載する場合
詳しい職務内容を記載する場合は、読み手が一目で理解しやすいように、職務内容を簡潔に箇条書きで記載しましょう。具体的な業務内容や担当したプロジェクト、達成した成果などを含めると効果的です。情報を記載するときは、数字や実績を用いて客観的に表現すると、より説得力が増します。
専門用語や業界特有の表現は避け、一般的な言葉で説明するのも重要です。応募先の人事担当者が必ずしも専門知識を持っているとは限らないので、誰でも理解できる表現を心がけましょう。自身の強みや成長が伝わるような職務内容を選択すれば、より印象に残ります。
応募先の求める能力や経験に関連する内容を優先的に記載すると、採用担当者の目に留まりやすいです。長すぎると読みづらくなるので、各職務内容は3〜5行程度にまとめるのが適切です。企業の秘密に触れるような機密情報の記載は避け、一般的な業務内容に留めておく必要があります。
別紙にまとめて記載する場合
別紙に職歴をまとめて記載する方法は、詳細な経歴を伝えるのに効果的です。別紙を使うと、履歴書の限られたスペースでは伝えきれない情報を十分に伝えられます。別紙の作成方法にはA4用紙を使用し、1ページ目に概要、2ページ目以降に詳細を記載します。上部に職務経歴書と記載するのも忘れないでください。
転職理由や今後のキャリアプランを記載し、履歴書との整合性を保ちます。読みやすいフォントとレイアウトを使用するのも大切です。別紙を作成すれば自分の経歴を詳しく伝えられますが、情報量が多すぎると逆効果になります。重要な点に絞ってわかりやすく記載しましょう。
履歴書の職歴欄の書き方に関するよくある質問
履歴書の職歴欄の書き方について、よくある疑問は以下のとおりです。
- 期間が短い職歴も記入する?
- 提出後に記入漏れや間違いに気づいた場合は?
多くの方が疑問に思うポイントの回答を知っておけば、スムーズに履歴書を作成できます。
期間が短い職歴も記入する?
期間が短い職歴も原則として記入するのが重要です。1か月以上の職歴は、できるだけ履歴書に記載しましょう。短期間の職歴でも、志望する職種に関連する内容であれば、転職先での仕事に活かせるため記入する価値があります。数日程度の短い職歴は省略しても問題ありません。
職歴が多い場合は、重要度が低い短期間の職歴を省略しましょう。短期間で退職した理由については、面接で説明できる準備をしておくのが大切です。記入するかどうか迷う場合は、企業の採用担当者に確認しましょう。
提出後に記入漏れや間違いに気づいた場合は?
提出後に記入漏れや間違いに気づいた場合は、すぐに企業へ連絡することが大切です。正直に状況を説明し、適切な対応を取れば、誠実さのアピールにもなります。電話やメールで企業の担当者に連絡を取り、記入漏れや間違いの内容を詳しく説明し、対応方法について相談しましょう。
軽微な修正の場合は、口頭での説明で済む場合もあります。大きな修正が必要な場合は、書類の再提出を依頼されるので、企業の担当者の指示に従ってください。どのような指示であっても、誠意を持って対処するのが重要です。素早く正直な対応は、むしろ好印象を与えられます。
企業側の理解を得られるよう、丁寧に対応しましょう。
まとめ
履歴書の職歴欄を正しく書くことは、就職活動や転職活動において重要です。本記事では、職歴欄を書くときの基本ルールやさまざまなケースに応じた書き方について詳しく解説しました。年号の統一や学歴記入欄からの1行空け、学校卒業後のすべての職歴記載などの基本的なルールを押さえるのが大切です。
在職中や退職予定、空白期間がある場合など、特殊なケースも明確にわかりやすく記載する必要があります。職歴が多い場合や詳細な記載が必要な場合は、応募する企業に関連する内容を重視しましょう。短期間の職歴も基本的に記入するのが大切です。提出後に気づいた間違いは、適切に対応すれば、採用に悪い影響を与えません。
職歴の書き方の知識を活用すれば、自信を持って履歴書が作成できます。正確でわかりやすい職歴欄は、採用担当者に良い印象を与え、就職や転職の成功につながります。